鳳凰三山 山行記


今週末にせまった富士登山企画ですが、台風の影響で明日は風速13m/s予報。台風の進路が東よりにズレたとは言え、上空の風が収まるかどうか。開催の可否は土曜日に決めて、参加予定の方にはお知らせします。台風一過でむしろピーカンになってくれないかなぁ。



さて、昨年のこの時期のブログを振り返ると、2024年8月号会報の告知の翌日は、Y口さんからの投稿、「赤石・荒川・千枚 山行記」を掲載させていただいていました。



そして、今年も鳳凰三山に単独行されてきたということで、投稿をいただきましたので、今年も7月のしめくくりとして掲載させていただきます。それでは、Y口さんの「鳳凰三山 山行記」、ご覧ください。










鳳凰三山 山行記




7月27日(日)晴れ後曇

夜叉神峠登山口6:05 - 夜叉神峠7:10 - 杖立峠8:45 - 苺平10:30 - 南御室小屋11:30 - 12:55薬師岳小屋


一昨年からハイシーズンの南アルプス山行を再開。一昨年は北岳、昨年は赤石・荒川・千枚と行って、今年はどこへ行こうかと考えていた時にNHK BSの「にっぽん百名山」で見たのが鳳凰三山。いずれも3000mには届かない山ですが、南ア主脈の展望が魅力の山域です。


鳳凰三山は3回目となりますが、南アルプスのいわば入門コース。直近は平成17年10月で、その時は夜叉神から入って青木鉱泉に下りましたが、今回は早川尾根を通って広河原に下りるルートを選びました。


鳳凰三山 (地蔵ヶ岳、観音岳、薬師岳)|韮崎市観光協会

南アルプスユネスコエコパークの核心地域にそびえ立つ、地蔵ヶ岳・観音岳・薬師岳の三山を総称して「鳳凰三山」と呼び、日本百名山、山梨百名山、新・花の百名山などに選ばれる日本屈指の名峰です。特に北端の地蔵ヶ岳の頂上には、高さ18mにもおよぶ大岩柱(オベリスク)が屹立し、その幻想的奇観は古くから岳人に愛され、信仰と伝説の山として知られています。【展望】花崗岩の白砂が映える山頂からは、富士山、北岳、八ヶ岳、秩父連峰の大パノラマを楽しめます。【動植物】8月には希少な高山植物であるタカネビランジや鳳凰三山の固有種でるホウオウシャジンが花崗岩の岩肌に咲く姿をご覧いただけます。また、天然記念物のカモシカやライチョウなどの野生動物と出会えることもあります。【その他】地蔵ヶ岳の直下には「賽ノ河原(さいのかわら)」と呼ばれる場所があり、花崗岩の白い砂地に多くの地蔵が安置されています。「地蔵を1体背負って下山し、祈念をすると子を授かり、お礼に2体の地蔵を山にお返しすれば、子が健やかに育つ」という言い伝えがあります。 ※「山梨県登山の安全の確保に関する条例」により、鳳凰三山に12月1日から3月31日の間に登山する場合は、登山計画書を提出する義務があります。必ず登山の前に計画書をご提出ください。詳しくは、「山梨県ホームページ」をご覧ください。  

www.nirasaki-kankou.jp


今回も単独行。リスクと一人の気楽さを比較すると後者の方が優るということです。そういう登山者は多いようで、南アで出会う登山者の半分くらいは単独行と思われます。万が一のために、いつものように娘を緊急連絡先として、静岡県警山岳遭難救助隊に登山計画書を提出しておきました。



甲府駅を朝一番のバスに乗るために、前夜は甲府駅前の昔ながらの旅館に宿泊。学生時代はステーションビバークと称してよく駅構内で寝ましたが、ホームレスでもあるまいしもう無理ですね。甲府駅を朝4時35分、山梨交通の広河原行きのバスに乗って夜叉神峠登山口に5時45分着。そこからいよいよ登山開始です。



カラマツ林の急登を登って1時間で夜叉神峠着。視界が急に開けて、白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)を遠望できます。そこから傾斜はゆるいもののひたすら登ります。いつのまにかシラビソやダケカンバの樹林に変わって南御室小屋に到着。ここで手の切れるように冷たい“南アルプスの天然水”を補給しました。森林限界を抜けて、風化した花崗岩の巨岩が現れるとすぐに薬師岳小屋に到着です。まだ早いので空荷で周辺を散策。これが楽しいですね。




7月28(月)晴

薬師岳小屋6:00 -薬師岳6:10 - 観音岳7:00 - アカヌケ沢ノ頭7:55 - 地蔵岳8:00 - アカヌケ沢ノ頭8:35 - 高嶺9:30 - 白鳳峠10:25 - 白鳳峠登山口12:20 - 12:30広河原


一泊二食付き小屋泊まりの大名登山。遅い出発を決めていたので、日の出を見るために朝食前に薬師岳まで登ってきました。気温は10℃前後で寒い。山頂は自分一人だけで、静寂の中、雲海の向こうの朝焼けから真っ赤な太陽を望めました。敬虔な気持ちになります。



うかつにも小屋に水場がないことを知らず、南御室小屋の“南アルプスの天然水”だけでは足りないので、1本600円也のペットボトルを買いました。6時00分に薬師岳小屋を出発。日の出前と打って変わって、薬師岳の山頂は賑やか。日の出を見にきているので、ここはサクッと通り過ぎて観音岳に向かいました。



観音岳は鳳凰三山では最高峰の2841m。正面にこれから行く地蔵岳、その左手に甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳、東には白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)、遠くに八ヶ岳連峰、さらに富士山と360度の大展望です。いつまでも留まっていたい感じですが、そうもいかずに鳳凰三山の最後となる地蔵岳に向かいました。



地蔵岳にはアカヌケ沢ノ頭からピストン。賽ノ河原の砂礫地に子宝を願う多くの地蔵尊が安置されていて、色々な山でも見られるような山と信仰の結びつきを感じます。近くで見るオベリスクの巨岩には圧倒されます。学生の頃、最後はロープにぶら下がっておそるおそる塔のてっぺんに立った記憶がありますが、無謀なことは止めておくことにしました。



アカヌケ沢ノ頭に戻って、早川尾根へ。多くの登山者は青木鉱泉、御座石鉱泉のルートをとるようで早川尾根で出会った登山者は数組のみ。早川尾根は単調な印象がありましたが、高嶺の登り下りは岩場もあってスリリングで楽しかったですね。白鳳峠から広河原までは夜叉神峠からの緩やかな登りと対照的に急激な下り。最初はガレ場が続いて、さらに後半はハシゴ段があって予想外の難所。脚にダメージがきていることもあって、よろけて何度かヒヤッとしました。ともかくゆっくり行こうと自分に言い聞かせながら無事に広河原に辿り付きました。



2日とも午後1時前には行動を終了。物足りないくらいの行動量ですが、高齢者の単独行ですからリスク回避のためにも、このくらいが丁度いいような気がします。


「やっぱ山はいいなあ~。」


絶景もさることながら、行き交う登山者はみんな挨拶をしてくれて、道を譲り合って、俗世間ではいざ知らず善人になります。山には人の心を浄化する霊気があるようです。





~END~









去年と全く同じコメントになっちゃいますが、「いいですねぇ。僕は山小屋って泊ったことないので、一度くらいは泊ってみたい」。特に、朝焼けの雲海から登る太陽、ほんとに神々しいですね。当会には、もともと山をやっていた会員が多数いますので、富士山だけでなく南アルプス登山とかも企画してみたいですね。ということで、Y口さん投稿ありがとうございました。静岡走ろう会登山部としては、今週末の富士登山、無事行けるかどうか!ここまできたら、天候を自由に操ることのできる晴れ男X-menの念力に期待です(^^)


(KBT)

静岡走ろう会

1975年発足の静岡のランニングクラブ。 現「静岡マラソン」の前身となる「駿府マラソン」を昭和51年に立ち上げた歴史あるクラブです。 現在の会員数148名。月2回の練習会に加え、大型バスをチャーターしてマラソンツアーや日帰り合宿を実施しています。 新規会員、募集中。まずは一度、体験参加してみませんか?

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