去る9月17日、われわれが日帰り強化合宿で河口湖を周回していた頃、当会のM-shitaさん並びにK石さんが、しずまえトライアスロンに参戦。しずまえトライアスロンは、スイム750m、バイク20㎞、ラン5㎞、計25.75㎞のスプリントディスタンス大会。難病を抱えながらも、果敢に完走を目指したM-shitaさんから投稿をいただきましたので、ぜひご覧ください。では、さっそくですがM-shitaさんレポートお願いします!
しずまえトライアスロン参戦記
今年5月の総会でのスピーチの機会に、しずまえトライアスロンの完走を宣言してから4カ月。この間も持病は性質上良くなることはなく、むしろ日常生活の些細なことにも支障が出てくる状態で静かに進行していた。とりわけ、トライアスロンはトランジション(着替や次の種目への準備)があり、固縮が進んでいる右手の影響から、ウエットスーツに着替えたり、靴を履き替えたりすることに時間を要するようになっていたため、出場についてはギリギリまで熟慮することとなった。
それでもスイムについては、比較的身体への負担も少なく唯一ストレスなく練習ができ、 海練も大会までに6回ほどこなし、バイクは通勤で距離を稼ぎ、ランはパークランの5キロをほぼ毎週続けてきて、何とかスタートラインにはつけそうな準備は出来た。
大会当日、まずスイム会場の海の様子を見に行くと、ベタ凪でスイムへの影響はなさそうな波。その後ゴールの広野海浜公園に移動し受付を済ませる。すでにゴールゲートも出来上がっていて、笑顔でこのゴールゲートをくぐれるのだろうかと自問自答した。
再びスイム会場に戻ると続々と参加者たちが集まり、久々にスタート前のピリリとした緊張感を感じた。早速時間がかかるウエットスーツへの着替えを始める。やはり右手の痺れから中々スーツを引き上げることが出来ず戸惑ったが、何とか間に合い試泳に向かった。
試泳が終わると、DJケチャップが会場を音楽で盛り上げていた。流れる曲はテンションが上がる曲ばかりで高揚感も増してきた。とその時「誰にも~見せない~涙がああった~🎵」とゆずの「栄光の架け橋」が流れてきた。この曲が心に刺さってしまい、煽りMCも相まって、不覚にもスタート前に号泣。(本当はゴール後に涙の予定が...)
スタートセレモニーも終わり、いよいよウエーブスタートが始まる。自分は黄色帽の第3ウエーブ。極力渋滞に巻き込まれないように大外から戦況をうかがいながらのスタート。スイムは練習の甲斐があり、すぐに第2、第1ウエーブの集団に入り、全体の30番で通過し上々のスタート。
走りながらトランジションに向かうが背中のファスナーに手が届かず、なかなかウエットが脱げない。ようやく手が届いたが手先が不自由なため、いちいち動きがスローで、せっかくスイムで先行したタイムをロスしてしまった。
バイクセクションとなり、もはや私物化している会員のHさんバイクで、今回も参戦。やはり右足の麻痺の影響から踏み込みが出来ない。レース中もたくさんのラン友に声けてもらったが、スイムでの貯金を使い果たす形となった。
そして最後のランセクション。これまでであれば一番得意なパートであったが今回は一番不安なパートになっていた。その心配はパイクを降りた瞬間に訪れた。両足に痺れが走り、 生まれたての子鹿状態で立つのも精一杯の状態。DNFも頭によぎったが時間的には全歩きでも辛うじてゴールは切れるだろうとの推測から、一歩ずつ確実に歩みを進めることになる。
しかし、時間の経過とともに気温も上昇し、照り付ける太陽が気力、体力を奪っていく。 よほど熱中症でふらふらだと思われたのか、ところどころでボラのみなさんから「大丈夫で すか」と何度も声をかけられる有様。これまではほんの通過点だった5キロがこんなに遠く感じたのは初めてだった。そしてようやくゴールゲートがある公園に入ってきた。
公園外周の途中から心配に思ったのか運営の方がマンツーマンでアテンドしてくれて、ようやくゴールゲートがあるブルーカーペットが見えた。ここで奇跡的に自分の大好きなテーマ曲「終わりなき旅」がBGMで流れ感動。涙はスタート前に枯れ果ててしまったため、最後は両側のラン友たちにハイタッチしながら笑顔のゴールとなった。
タイムは2:05:15(191/199)。2年前の1:20:59(25/148)の記録には遠く及ばなかったが、「まだ限界だなんて認めちゃいないさ🎵」とミスチルの歌詞にもあるように、これからも身体とよく相談しながら「終わりなき旅」を続けていきたい。
~END~
前回の京都マラソン完走記もそうでしたが、M-shitaさんのレポートはグッとくるものがありますね。M-shitaさんなら、しれっと完走しちゃうと思ってましたが、実際は思うように動かない身体と格闘されていたんですね。スタッフのみなさんからしたら、まさか難病抱えながらトライアスロンやるなんて思わないでしょうから、このレポート読んだらさらにビックリなのでは。M-shitaさん、ぜひ引き続き「終わりなき旅」を続けて、僕らに勇気を与え続けてください。静岡走ろう会の会員一同、M-shitaさんの挑戦をこれからも見守っていきます!
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