今季最強・最長寒波襲来。今朝ジョグしていたら、草薙運動場内の水たまりが凍っていました。とは言え、豪雪地域の他県のみなさんに比べ、雪下ろしもしなくていいし、車のスリップ事故もあんまりないし、温暖な静岡にいることに感謝しなくてはなりませんね。
さて、今日はランニング月刊誌『ランナーズ3月号』の特別寄稿<マラソンの「30kmの壁」の正体「エネルギー枯渇説」よりも「脳がかけるブレーキ説」>について、考えてみたいと思います。
内科医で自己ベスト2時間50分31秒のランナーでもある北原拓也先生が、昨年12月にYahoo!ニュースで発表された記事が大反響となり、それを加筆しての特別寄稿とのことですが、その元記事のYahoo!ニュースがこちら👇
この記事によれば、フルマラソンのいわゆる「30kmの壁」の原因には三つの仮説があるとのこと。
仮説①は30㎞でエネルギーが枯渇したり、乳酸がたまってしまうというもの。しかし、走りながら血糖値を測定した実験では、ウルトラマラソンでは低血糖になったランナーがいたものの、フルマラソンでは低血糖のランナーはいなかったとのこと。
仮説②は、特に速いランナーが終盤脚に力が入らなくなったり、脚つりで失速することはあるとのこと。
そして、現在最も有力な説が仮説③。脳が危険を感じてブレーキをかけている説。走歴5年の27歳男性(自己ベスト:3時間10分)に、脳波計やエアロモニタを装着して5km周回の公園を42.195km走ってもらった実験を行ったそうです。測定機器を装着するとこんな感じ👇だったとのことですが、これでフルはしりきっちゃう27歳男性もスゴイ!
(National Liberary of Medicineより)
この実験でわかったことは、
「フルマラソンを走ると、序盤1/3は脳がアルファ波を多くして苦痛を緩和して守ってくれるのです。ですが序盤1/3を過ぎるとアルファ波を低下させ、その結果苦痛を感じさせて休むよう促しているのです。ですがそれでも休まないと、脳が足を動かないようにする。それが30kmの壁の正体なのです。30kmでは呼吸商が低下(糖質が枯渇)して、脂質代謝の割合が増加してきているのですが、それより前から脳は危険信号を発信しているのです。」
(Yahoo!ニュース記事より)
なるほど。30㎞の壁では、脳が「これ以上走ったら危険だからもう走るのをやめろ」って訴えているわけですね。そういえば、以前図書館で借りた『ENDURE~限界は何が決めるか?~』っていう本にも同様のことが書いてありました。
「すべてを最終的に決定するのが主観的運動強度、つまり運動する際の主観的な努力度合いであり、唯一重要なものだ。」(P.89)
静岡走ろう会のTシャツの背中に書かれている「Pain is inevitable. Suffering is optional.(痛みは避けがたいが、それをどう受け止めるかは自分次第)」ってことですよね。いやでも、もしそれが今後科学的に証明されたとしたら、日曜日にアラジンで買いだめした(20%OFF!)エネルギージェルって不要ってこと?前述のランネットの記事にはこうも書いてありました。
「30kmの壁の対策としてカフェインやミントを摂取したり、スポーツドリンクや甘いものを口に含むだけでも有効とされています。これは脳が感じている疲労やエネルギー不足を、脳を刺激したりエネルギーを補給したと誤認させる行為です。」
なるほど、ジェルを飲むことは脳をだますのにも効果的なわけなんですね。ということで、「今走り続けているのは、決して生命の危機なんかじゃないんだよ」と脳をだますことが大切なようです。先日、別府大分マラソンで日本人一位で初マラソン&学生記録を塗り替えた若林選手も、40キロ手前であんなに苦しそうな顔していたのに、そのあと復活しましたからね。脳のリミッターを外す能力を相当鍛えてきたんだと思います。マラソンに向けた練習は、筋力や身体の動かし方を鍛えるだけでなく、脳と上手に折り合いをつける練習も必要なんだということで、今週末のMAT、来週末の青梅マラソンは、これをテーマにチャレンジしてみたいと思います!あっさり、脳の発する危険信号に素直に負けていると思いますが(笑)
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