西湖ロードレース~出発編~

6月17日午前4時55分。バスの中は、落ち着かない雰囲気につつまれていた。


僕が初めて静岡走ろう会のイベントに参加したのは、他でもないこの西湖ロードレース。まだランニングを始めたばかりの頃、調べてみたら2010年6月20日だった。朝が弱い僕は、午前5時集合と聞いていたので、午前5時少し前に到着すると、すでに全員がバスの中で待機していた。そして、「おはようございます」と声をかけてもらってはいるものの、なにやら視線が厳しい。そうか、この会は、時間に厳格な方々のあつまりなのか…。それ以来、少なくとも10分前には集合するよう心がけていた、僕は。


ふたたび2018年6月17日午前4時55分。補助席も後ろから埋まってきて、残るはあと3人。前方から自転車に乗った美ジョガーが見えた。あと2人だ。「誰か連絡先知らないの?」。そういえば、僕は運営委員なので名簿を添付したメールがあったはず。調べて電話をしてみるものの、二人とも出ない。すでに5時をまわり、このままだと会場の駐車場が埋まってしまう可能性もあるので、二人を残して、午前5時5分やむなく出発。


一方、昨日のこと。今回は所要により参加できないボブことNewA野さんからメール。走ろう会の静Tを受け取りたいので、本日会場にきてくれるとのこと。しかし、静Tは会計のMさんが持っており、Mさんは瀬名のコンビニから乗車予定と返信すると、瀬名のコンビニまで取りに来ますとの返事。このことが、まだバスに乗っていない二人には奇跡的な展開となることは、まだ誰も知るよしもなかった。


ふたたび2018年6月17日午前5時15分。瀬名のコンビニ到着。Mさん、M-shimaさん、Y口さん、そして会長が待っていた。しかし、ボブがいない。あれっ、どうしたんだろう?席についたMさんに、「ボブはTシャツとりに来ましたか?」と聞いてみる。


Mさん「ボブは二人を迎えに行きました。」


「えっ!」


Mさん「ボブは二人を家まで迎えに行って、新東名でこのバスを追いかけて、朝霧の道の駅で合流することになっているんです。」


「はっ!」


このあと、車中はボブの献身的な行動を称える会話と、目覚ましをかけたのにボタンをセットするのを忘れた横綱の話題でもちきりとなった。バスは順調に国道1号線から国道139号線を北上し、午前6時40分、朝霧道の駅に到着。

ここで、トイレ休憩をしながら、3人を待つことに。JUNJUNさんがLINEで連絡をとっていて、もうすぐ近くまで来ていることが判明。

しばらく待っていると、黒のミニバンNOAHが颯爽と到着。奇しくも車名の「NOAH」とは、あの「ノアの方舟」のノアだ。そして、方舟に救われた二人の謝罪風景が先日の写真。

こうして、3人は、静岡走ろう会伝説の人となったのであった。

(つづく)


静岡走ろう会

1975年発足の静岡のランニングクラブ。 現「静岡マラソン」の前身となる「駿府マラソン」を立ち上げた歴史あるクラブです。 現在の会員数144名。月2回の練習会に加え、年数回マイクロバスをチャーターしてマラソンツアーを実施しています。 新規会員、募集中。まずは一度、体験参加してみませんか?

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